AIのフライトレコーダー
航空機には飛行データを記録するブラックボックスがある。原子力発電所には詳細な監視システムがある。
しかし、毎秒数百万件の意思決定を行うAIシステムには? 改ざん検知可能な記録システムがほぼ存在しない。
VAPはこの問題の一部に対処する。
"Encoding Trust in the AI Age" ― AI時代の信頼をコード化する
提供元: VeritasChain Standards Organization (VSO)
規制環境とインシデント傾向が新しいアプローチを求めている
改ざん検知
Merkleツリー + 外部アンカリング
因果追跡可能性
入力 → 判断 → 結果
法的証拠
検証可能な暗号学的証拠
暗号学的に検証可能なAI判断証跡のための分野横断メタフレームワーク
VAP(Verifiable AI Provenance Framework)は、あらゆる高リスクAIシステムに共通する「暗号学的に検証可能な判断証跡(Provenance)」の構成要件を規定する、分野横断の上位フレームワークです。
VAPは「AIを止める規制」ではない。
VAPは「AIを安全に継続運用するための証跡インフラ」を標準化するものです。
VAPは実装規格ではない。
実際の実装は各ドメインプロファイルが担う: VCP(金融)、MAP(医療)、DVP(自動車)、EIP(エネルギー)、PAP(公共政策)、IAP(産業)、CAP(コンテンツ/クリエイティブ)、CPP(キャプチャ)。ステータス(VAP v1.2 §4.5.2 のレジストリ):VCP v1.2 Released/CAP v1.0・CPP v1.4 リリース済み/OAP v0.1.1・MAP v0.1.2 Working Draft/PAP 部分ドラフト(Track B v0.2.0)/IAP 発表済み/DVP・AAP・EIP 計画中。IAP・DVP・AAP・EIP の仕様書はまだ存在しません。
VAPファミリーの提案プロファイルとして、VAP-LAP(Legal AI Profile)も紹介しています。個人Internet-Draft -05の概要と、AILEXの製品リファレンスをご覧いただけます。
適用例(設計提案・非規範。プロファイルではありません): AIセキュリティ調査の監査証跡・証拠設計 — OAPプロファイルと、分野横断のケイパビリティであるDAPの組み合わせ。
限界:VAPにできないこと(VSO のAI事件の検証記録で繰り返し現れるパターンごとの整理)。
実装状況
2026年10月25日時点で、VAP または VAP プロファイルの外部実装はゼロ、手続で受理された Evidence Pack もゼロです。以前に公表した有償契約の件数は、一次記録との照合が済むまで2026年10月24日に取り下げました。これは件数がゼロだという意味ではありません。
Working Draft の本文はまだ公開していません。OAP、MAP、PAP(Track B)と、分野横断のケイパビリティである DAP・SMP の本文は、VSO のどのリポジトリでも公開されていません。レジストリが示すのは各文書のステータスであり、入手できるかどうかではありません。
VAPは「満たすべき最低条件」を規定する。
VAPは「インターフェース契約」、ドメインプロファイルは「実装」と考えてください。
VAPの適用対象は明確:「バグったら、人か社会が真面目に死ぬ/詰む」領域
システム障害が人命・社会基盤・民主的制度に不可逆的な損害をもたらしうる領域が対象です。
AIの判断過程をたどれることが重要な領域
VeritasChain Protocol
アルゴリズム取引の監査証跡、HFTシステム、AI駆動取引戦略
Medical AI Profile
AI診断支援システム、画像診断、治療推奨
Driving Vehicle Profile
自動運転(L3-5)、ADAS、航空AI、ドローン制御
Energy Infrastructure Profile
スマートグリッドAI、電力網管理、重要インフラ
Public Administration Profile
与信スコアリング、福祉判定、入国管理AI、採用アルゴリズム
Industry Accountability Profile
業界特化のVAP拡張、業界別ガバナンス、規制準拠
Content / Creative AI Profile
ゲーム、映画、アニメ、出版、音楽 ― AI使用の暗号学的証跡
Capture Provenance Profile
メディアキャプチャ検証 ― いつ、どこで、誰が撮影したかを検証可能に
Legal AI Profile
法律相談への応答、書面の下書き、ファクトチェック、人による確認を、たどれる証跡につなぐ提案。
提案プロファイルすべての領域において、AI判断の透明性と追跡可能性は「あれば良い」ではなく「なければ文明が機能しない」必須要件です。
VAP / VSO / ドメインプロファイル ― 3層の標準化構造
概念・上位フレームワーク
全ドメイン共通の最低要件を定義 ― AI判断証跡の抽象レイヤー
策定・維持
標準化組織
VAPを策定・維持する組織 ― VSOは認証を行わず、証明書はVSOが承認した適合性評価機関(CAB)が発行
プロファイル公開
金融
v1.2 Released医療
自動車
エネルギー
公共
産業
コンテンツ / クリエイティブ
キャプチャ
法律AI
提案プロファイル各領域のプロファイルと提案
技術的な構成要素。VAP v1.2のアーキテクチャ(§3.1)は、Integrity・Provenance・Traceability・Accountability・Domain Profiles の5レイヤーで構成されます
Cryptographic Primitives
判断由来
Temporal Integrity
暗号移行性
すべてのVAPドメインプロファイル(VCP、MAP、DVP、EIP、PAP、IAP、CAP、CPP)は共通の暗号基盤を共有
提案プロファイルのVAP-LAPは、これらの仕組みを法律AIに適用する設計です。対応関係は個人Internet-Draft -05に記述されています。
1つのコア、複数のプロファイル ― ドメインプロファイルはVAPを拡張するが、共通コアを置き換えることはない。
JCS (RFC 8785) ― 実装間で一貫したハッシュを実現する決定論的JSONシリアライゼーション。
UUIDv7 ― 時間順序付きユニーク識別子。時系列順序とグローバル一意性を実現。
SHA-256(デフォルト)/ SHA3-256 ― Merkle包含証明とイベントごとのPrevHash連結のいずれか、または両方により、イベントの順序と所属を検証可能にします(INT-004)。PrevHashはフレームワークレベルでは任意です(INT-004a)。
Merkleツリー ― バッチ検証と、署名付きMerkleルートの外部アンカリング(TSA・透明性ログ・パブリックブロックチェーン)。v1.2ではすべての適合レベルで必須です(INT-006)。各アンカーレコードはイベント件数、最初と最後のイベントID、ポリシーIDを束縛します(Completeness Invariant、INT-008)。
Ed25519(デフォルト)+ ML-DSA(FIPS 204、EXPERIMENTAL) ― 鍵ライフサイクルを定めた従来型の署名と、ハイブリッド運用向けの実験的なポスト量子署名。
標準化されたVerify手順 ― ドメイン横断の相互運用性のための定義済み証明構造と検証アルゴリズム。
共通コア(Shared Assurance Core)がVAP共通の要件を定めます。各プロファイルのステータスと対応関係は、それぞれの文書をご覧ください。
説明 ≠ 検証 ― 根本的な違いを理解する
| 観点 | Explainable AI(XAI) | Verifiable AI(VAP) |
|---|---|---|
| 答える問い | なぜその判断をしたか? | その判断が本当に行われたと検証できるか? |
| 提供するもの | 事後的な解釈 | 暗号学的な証拠 |
| 改ざん検知性 | なし | Merkle証明と外部アンカーによる検知 |
| 類似 | 「パワポで説明します」 | 「ブラックボックスのデータです」 |
| 証拠の種類 | 説明であり、独立して検証できない | 検証可能な暗号学的証拠(その証拠としての評価は裁判所や当局が行う) |
XAIは「なぜ?」に答える ― VAPは「本当に起きたか、検証できるか?」に答える
VAPは現行および新興の国際規制に関連する証拠を生成するよう設計されています
高リスクAIの自動ログ記録義務
アルゴリズム取引の記録要件
データ保護と削除権(Crypto-shredding)
統合監査証跡
重要インフラセキュリティ
医療AIデバイスガイダンス
国際的な認知と採用に向けた道筋
draft-kamimura-vap-framework-02(有効な個人提出)― いずれのIETFワーキンググループにも採択されておらず、IETF上の地位はありません
金融サービス標準化のためのISO技術委員会との連携
国際AI標準委員会との調和
IEEE標準化トラックの可能性
VSOはAI判断証跡の標準化組織としてVAPを策定・維持しています
VSOはW3C、IETF、IEEE、FIXと同じ層で活動します ― ルールを定義し、認証は自ら行いません。これは構造上の比較であり、同等の地位・承認・採用を主張するものではありません。
インターネットプロトコルのIETF、Web標準のW3Cのように、
VSOはルールを提供する ― ビジネスではない。
AIシステムのための暗号学的信頼インフラ確立の動きに参加しませんか
「飛行機にはフライトレコーダーがある。AIにも必要な時が来た。」
— VeritasChain Standards Organization
VAP Framework SpecificationはCC BY 4.0 Internationalでライセンスされています